割賦販売方式の種類

割賦販売とは、もっとも狭い意味では、代金を一定期ごとに分割して払うという買主の約束に基づき、売主が代金支払前に商品を引き渡す方式の売買契約を意味するといってよいようです。
しかし、特に買主の立場からみて、事実上、代金ないし代金相当金額を一定期ごとに分割して払うことになる売買を、広く割賦販売ということにしますと、種々のものが存在しており、それらを、購入者と直接の関係をもつ諸当事者の介入のしかたの観点に基づいて分類しますと、まず、直接方式と間接方式に二分できます。直接方式は、小売店であれ、販売金融会社であれ、月賦金融を与える者が、みずから割賦販売の形式上の売主となって割賦販売契約を締結する方式です。それは、さらに、割賦代金支払前に商品の引渡しを受ける後払方式と、割賦代金支払後に商品の引渡しを受ける前払方式とに二分できます。
間接方式は、月賦金融を与えるものが、第三者として売主と買主との間に介在する方式であり、信販会社や専門店会が介在する割賦購入斡旋方式と、ローン提携販売方式の二つがあります。間接方式は、売主からみると、代金ないしは、代金相当額の一括払いを受けるため、事実上、割賦販売になっておらず、したがって、割賦販売法も、以上の四つの全てを規定の対象にはしておりますが、定義としては、後払直接方式と、前払直接方式のみを割賦販売といっています。

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後払直接方式、この方式には、さらに、売主側の関係者のあり方や、信用授与の観点から、大ざっぱにいって次の二つの型に分けることができます。
小売店自己取引型、これは、後払直接方式のもっとも簡明な型で、小売店が売買契約の売主となり、直接購入者に信用を授与するものです。売主たる小売店は、運転資金を、自己資金や、メーカーや金融機関などからの金融に依存しており、月賦専門百貨店、自動車のディーラーの一部や楽器のメーカー直営販売店などがこの型の割賦販売を行なっています。
小売店が代理商になる型、これは販売金融を授与するものが、形式上も売主となる型です。実際に消費者と商品販売の交渉にあたるところの零細な小売店や、 サブ・ディーラーは、割賦販売取扱額が多額になると、資金調達が困難になってきます。それで、メーカー系列の卸商社や月賦販売金融会社、あるいは資金の豊かなディーラー売店やサブ・ディーラーに金融を与えることになりますが、その一つの形式として、卸商社やディーラーが、消費者に対する直接の売主となり、消費者による割賦金完済まで商品の所有権を留保し、小売店は、卸商社と消費者間の契約の締結を代理ないし媒介する任にあたるという、いわゆる委託販売の形式がとられることがしばしばあります。形式的には、卸商社や月賦販売金融会社が売主になります。そして、もとの小売店は、たんなる代行店として、契約の代行をするごとに、卸商社などから手数料を取得することになります。
これにさらに二つのタイプがあります。
その一つは、購入者たる消費者が割賦金を払わない時には、小売代行広が、購入者の連帯保証人ないしは併存的債務引受人として、購入者に代わって支払うことを、卸商社と小売代行店間の基本契約で特約している方式です。これは、実際の結果としては、卸商社やディーラーは、小売代行店やサブ・ディーラーに割賦販売の金融を与えているだけで、売主としての代金回収上の危険は直接には負担していない方式であり、は軽自動車の割試販売などにみられるものです。さらに、この種の小売代行店は、法的にみて二つの類型に区別でき、一つは、小売代行店が卸商社との委任契約に基づき、購入者と販売条件について折衝する裁量を有し、最終的に契約を締結する代理権や、割賦金の受領についての代理権をも与えられているもので、商法の締約代理商に該当するものであり、もう一つは、小売代行店は契約締結の媒介をするだけで、基本的な販売条件にも、契約の最終的締結にも、必ず卸商社 の承諾を必要とし、かつ割試金も購入者から直接卸商社に支払われるもので、媒介代理商に該当するものです。どちらかというと、この代金回収上の危険を負担する小売代行店は、締約代理商的である場合が多く、他方、それを負担しない小売代行店についてはそのほとんどのものは、単なる媒介代理商になっているようです。ただ、いずれにしても、この方式においては、実際上も、また、小売代行店と卸商社間の基本契約上の義務としても、購入者の信用調査、および購入者の割賦金不払いのさいの取立ての仕事、にあたるのは、主として小売代行店になっている点も、次の方式におけるのと異なっているわけです。
前述の方式に属するもう一つのタイプは、小売店が代理商の形をとり、代金回収上の危険を負担しない型です。これは、現在、多くの家電製品メーカーの商品について広汎に採用されているものです。
小売代行広が貸倒れなどの代金回収上の危険を負担せねばならず、それが、零細小売店の割賦販売促進の大きな障害になっていたのですが、例えば、卸商社とは別個の、主としてメーカーの出資になり各メーカー系列に属しますが、独立の会社である○○クレジット株式会社というような名前の、いわば月賦販売金融会社が、形式上の売主として登場し、割賦販売の金融、購入者の信用調査、集金事務、割賦代金不払いの危険の負担、などを固有の専門機能としてにない、その結果、小売代行店は、媒介代理商として、販売促進と、アフター・サービスに専念すれげよいことになり、その手続の典型的な例は次のように行なわれます。家電製品小売代行店は、メーカー系列の卸商社から、三〇日後払いなどの約束で商品を仕入れ、店頭に陳列しておき、消費者から割賦購入の申込みを受けると、ただちに、それを、月販会社に通知します。月販会社は、消費者の信用調査をしたうえで、承諾すると決定したときは、その商品を小売代行店から現金販売相当価格で買い上げ、その代金を他の商品についての分と一緒に月ごとにまとめてメーカー系列会社間のみで通用する特別の金券などで支払い、月販会社みずからが、売主となって、消費者と割賦販売契約を締結するのですが、そのさい、小売代行店は、月販会社のために、契約締結の媒介の任にあたり、月販会社のために消費者から頭金を受領し、月販会社にかわって商品を消費者に引き渡します。小売代行店は、この特別の金券で卸商社からの仕入代金を月ごとにまとめて支払い、それと現金販売相当額との差額を、いわば、媒介手数料として取得することになります。その時の金融事情によって異なりますが、月販会社は、消費者から、頭金を控除した残代金に対し、アド・オン方式で年利六〜七%程度の割賦手数料を、そして小売代行店から一二回払月賦の場合で五%程度のクレジット運営費を徴収します。そして、このクレジット運営費は、最終的に消費者が負担するような形の契約書の作成がなされていますので、結局消費者は、一二回払月賦のときで、アド・オンで一二%程度の月賦手数料を負担し、残代金と合わせて、銀行自動振込方式などで、月販会社に分割払いしていくことになります。
そして、小売代行店の媒介によって、消費者と月収会社がとりかわす契約書の約款により、割賦金完済まで商品の所有権は、月収会社に留保され、期限の利益の喪失や、契約の解除をめぐる問題も、この約款に基づいて、消費者と月販会社の間で処理することになります。

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