連帯債務者の責任

保証人というのは、お金の貸主が約束の期限が来たときに返済できないときに、その人にかわって返済の責任を負う人です。民法の四四六条にも保証人は主たる債務者がその債務を履行せざる場合においてその責に任ずとあります。このことから保証人は人的担保ともいわれています。お金の借主が返済できないときは、一円の得にならなくとも、借主の借金の責任を負わなくてはならない割のわるい役目です。したがって、とんでもない憂き目を見ることがあります。そこで保証人になる心がまえを列挙すれば、保証人になるには、万一のときには保証した金額を自分で支払うだけの覚悟をもつこと。保証する相手が、はたして借金を返済するだけの能力があるかどうかを冷静に判断して保証人になること。保証人になってくれと人から頼まれたときは、自分が借主になったつもりで考えること。そうすれば自ずからなるべきかどうかがわかります。借金するお金を何に使うのか、また借りた金を使った後はどうするか、契約どうり返せるかどうかなどについて借主とともによく検討すること。この場合、借主の態度が曖昧なら断固として保証人になることをことわるべきです。利害関係でやむなくとか、は絶対にさけることです。

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保証人は、借主が契約の期限に借金を返済できぬときにその責任をとって返済しなければなりません。保証人となってしまった以上、どんな弁解も許されないことになるのです。ただし、借主が100万円借りていた場合、保証人は債権者との話し合いによって、そのうち50万円を返すということができるし、また債務者の契約期間より短いあいだを保証期間と定めることもできます。借主が破産の宣告を受けて借金の支払いができなくなったときは、そのときは保証人は責任を免れることはできません。そして保証人が借主にかわって返した金は借主が破産している場合は、そのかわって支払った金を借主に請求しても無駄であるということです。つまり支払ってもらうことはできないのです。つまり保証人になるということは、特別の約束があるとき以外は、いうなれば保証人になった契約については最後まで責任をもたなければならないことになります。もっとも借主が保証人となったあとから借金を勝手にふやした場合はその増加した分についての責任はないのです。
貸主は約束の支払い期日がくれば、借主の支払い能力に関係なく保証人に対して支払いの請求をすることができますが、それに保証人はすぐ応じなければならないというものではありません。借主をさしおいて保証人に借主が退済を催促してきたときは、まず借主に催促せよと抗弁する権利があります。保証人が、債務者に請求するよう抗弁したあとで、貸主が支払いの要求を怠ったり、そのためにあとで借主から借金を返してもらえなくなったときは、保証人は貸主が直ちに催促すれば返してもらった限度で、保証の責任を免れることができます。借主と保証人に対して、貸主が同時に支払いの請求をしてきたときは、保証人はこの催告の抗弁権を使うことはできません。保証人が抗弁権を出したときは、貸主はまず借主にたいして返済の要求をしたあとでないと再び保証人に返済の要求をすることはできません。
ただし、つぎの場合、保証人の抗弁はみとめられないことになっています。
1. 主である債務者(借主)が破差の宣告を受けたとき、または行方不明となったとき。
2. 保証人がまえもって抗弁権を放棄したとき。
3. 連帯保証であるとき。
4. 保証人自身が破産の宣告を受けたとき。
5. 保証人に対して和議開始、あるいは更生手続き開始のあったとき。
貸主がはじめに直接保証人に返済を要求したり、または借主に催促し、そのあとで保証人に返済を請求してきたときはどうかというと、保証人は、借主に返済能力があること、差押えなどの強制手段ができることを証明して、債務者(借主)から債権をとりたてるよう債権者(貸主)に要求することができますが、これを保証人の検索の抗弁権といいます。保証人からそうした要求が出されると債権者は債務者の財産を差押える手段に出ますが、こうして保証人の検索の抗弁権にしたがって債権者がひとたび強制執行をすればその後債務者の資産状悪が回復しても保証人は再び検索の抗弁権をつかうことはできません。なおまた、保証人が検索の抗弁権をつかっても債権者がすぐに執行しなかったことが理由で債務者から返済してもらえなくなった場合、そのときはそのできない分は保証人の責任ではありません。
保証人が検索の抗弁権をすてたとき、または連帯保証をしている場合には検索の抗弁権はありません。
保証人が、債務者にわかって償務(借金)の支払いをしたときは、その分を債務者から償ってもらう権利がありますが、これを保証人の求償権といいます。ただし、保証人が保証人になったことについて礼金をもらっていたり、逆に一切の礼をもらわないという約束のもとに保証人となった場合は、この求償権はないことになります。
次に求償権の範囲についていうと、保証人が支払いその他の保証をしたことによって損害をこうむった金額と、損害金を出したあとの法定利息、または保証にあたって必要であった経費などということになっています。
一人の債務者(借主)に対して数人で保証することを共同保証といいますが、それはつまり数人の保証人が保証債務の共同責任を負うことであり、この共同保証をした場合はどうなるかというと、分割した額を負担する。つまり各保証人は借主が借りた金額(負債分)を平等に分担して負担することになります。共同保証の場合、債権者はそのなかの一人が十分な保証能力があるとしても、その一人に借金を弁済させるなどということはできません。いいかえれば、各保証人の一人に対しては、分割した一人分の借金しか請求することはできないのです。ただし、つぎのような場合は例外になります。
保証人のあいだに連帯の特約がしてある場合。(保証連帯)
保証人が債務者と連帯して保証したとき。(連帯保証)
主なる債務が不可分債務の場合。
一般の保証人は債務者の契約したことを保証するだけの責任ですが、連帯保証の場合は一般保証人が使うことのできた催告や検索の抗弁権がみとめられないことになっています。連帯保証の場合は、債務者と連帯して債務を保証することを債権者に約束するわけですから、約束の期限がくると、連帯保証人は直接に債権者から支払いの請求を受けることになるのです。また連帯保証人が数人の場合でも、各人は金額の支払いを債権者から請求されます。しかし、連帯保証人は連帯債務者ではないのであるため、債務者が借りた金を全額払った場合はもちろんのこと、一部を払った場合でもその分については責任を免れることができるのです。
以上見てきたことでもわかるとおり、連帯保証人には責任を負う限界があるのですが、連帯債務者には限界がなく、トコトンまで責任を負わなければなりません。

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