書類の意味はどのようなものか

 私達の日常生活では、各種の書類が重要な役割をはたしています。たとえば、契約書とか計算書とか、貸借関係の書類は、日常なくてはならないものです。
 それでは、書類とはなにか、と聞かれると案外はっきりした説明をもち合わせていないのが普通です。たとえば、手紙の封筒だけをとりだして、これを書類とは普通はいいません。しかし、それが、他人によって偽書されたとか、あるいは本人がつくったものに相違ないが、その手紙で詐欺を働いたといった場合は、それは明らかに犯罪上の証拠書類となります。
 そうなると、書類の意味も、大変に広くなるのです。したがって、書類は、かならずしも完全な文章として文字でうめられる必要はありません。
 たとえば、印鑑証明は、その印鑑が本人の印鑑に相違ない旨の役所の証明ですが、ことがらは、印鑑、つまり印影が役所に屈けられたものに相違ない旨の証明で、印鑑以外の事柄については、なにも表示されていなませんが、それでも、りっぱな書類の一つです。
 しかし、普通は書類といえば権利義務に関する意思表示を書きつけた文書のことで、契約書類、売買書類、取引書類など、いずれも法律的に意味のある内容が記載された文書を指しています。

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 書類は、その作成者の立場によってすなわち個人の立場によってつくったか、公の立場でつくったかで私文書と公文書にわかれます。税務事務所の徴収課長が納税額を証明した文書をつくったとすれば、それは、公文書だが、自分の借金について借用証書を書けば私文書です。
 また書類は、その作成者が公証人か、一般私人かによって公正証書と私成証書にわかれます。公正証書は、証明力が高く、またそれは判決と同じように、それだけで強制執行ができるので、土地家屋の貸借、金銭の消費貸借などに、多く利用されています。
 さらに書類は、その作成書が、真正にその文書を作成する権限があるか、ないかによって、真正文書と偽造文書とに分れます。偽造文書をつくった場合は、刑法一五四条以下の文書偽造罪で処罰されます。
 また書類には、金銭的な価値をあらわしたものと、そうでないものとがあります。前者は有価証券とよばれ、たとえば株券、手形、小切手などがそれです。
 書類は、普通はそれを破毀しようと、保存しようと、作成者または所持者の自由のはずですが、法律は一定の場合には書類の保存を命じています。たとえば、商法の三六条を見ると「商人は、一〇年間その商業帳簿、およびその営業に関する重要書類を保存することを要す」とあって、取引関係の重要書類は一〇年間これを保存しておく義務があります。
 商法上の帳簿が一〇年の保存期間であるのに対して、税法は五年の保存期間となっています。これは税金の時効の関係から違った期間が定められたのです。
 書類をつくるにあたっては、一般に用紙についての制限はありません。判例によると、書類とは「文字もしくは、これに代るべき符号を用いて、永続すべき状態において、ある物体の上に記載した意思表示をいう」ものであるから法律上その物体の種類には制限がありません。それゆえに、入札用の陶器に、勝手に他人の名前を書いて、建物の競売に入札した以上、文書偽造罪になるとした判決もあります。
 しかし、普通は、日本紙または洋紙に記載されるのがならわしです。もっとも名刺の裏に書いたものでも、書類の一種となるから、必ずしも半紙版とか罫紙でなければなもないという制限はないのです。要は保存、証明ができるかどうかが大切なのです。
 だが、保険契約とか、倉庫契約、遅送契約、月賦建築契約、定期積立預金契約といったものは、契約の方式も、内容も定型化しているので、その用紙も印刷された既製のものを使用しています。そしてこの傾向は、だんだん他の取引関係におよんでゆくようです。
 また会社によっては、その整理の都合上、契約書類ばかりでなしに、納品書、請求書、領収証まですべてその会社独特の印刷物を使用させ、間違いや混乱の生ずるおそれを防いでいるところもあります。これで相手方会社の事務員などによってなされる集金詐欺、横領などの犯罪も防げるわけです。
 書類というものは、現在よりも、むしろ将来の保存、整理に役立だせようとする性質の強いものです。その意味からすると、なるべく丈夫な用紙を用いておくのが、安全であると思われます。

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