仮差押えをされたときの対抗法は

 Aさんは現在居住している住居とその敷地に対し仮差押えを受けたが、債権者はいくらたっても本訴訟を起こしてきません。実は数年前にBから一〇万円を借り受けたが、期日に弁済しています。ところが間もなくBは死亡しました。ところが、Bの相続人から、その古証文で仮差押えをしてきたのです。

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 仮差押えは、訴訟をして勝訴判決を得て本執行(差押え)をするまで、保全の意味でする手続きです。仮差押えをせず訴訟だけをしていても、せっかく判決で勝っていざ差押えの段階にきてみると、債務者の財産は何もなかったということでは、なんのための訴訟か、ということになります。そうならないためにも仮差押えが必要だということです。
 ところで、債権者が仮差押えをしたままで、放っておかれては、仮差押えを受けた者はたまりません。そこで、本訴訟を起こさない債権者に、一定期間内(二週間)に本訴を提起せよ、という命令を裁判所から出してもらうのです。これを起訴命令の申立てといいます。債権者が、この一定期間内に本訴訟を起こさないときには、裁判所は債務者の申立てによって、仮差押えを取り消すのです。
 仮差押えが違法である場合、すでに弁済しているのに仮差押命令が出されたような場合には、異議の申立てを行ないます。
 裁判所は、口頭弁論の期日を定めて法廷を開いて審理して取消しの判決をするのです。
 ただ、この異議の申立ては、申立てをしただけでは、当然に仮差押えの執行を停止しません。
 そのほかに、事情変更による仮差押えの取消しを申し立てる方法があります。
 仮差押えの理由が消滅した場合、その他事情の変更があった場合、取消しの申立てをすることができます。
 本訴訟で債権者が敗訴したような場合など、債務者は、この理由で取消しの申立てができます。
 また、仮差押命令には「仮差押えの執行を停止することを得るため、または執行したる仮差押えを取り消すことを得るために債務者より供託すべき金額を記載」することになっています。これを仮差押えの解放金額といいます。債務者がこの金額を供託したとき、はじめて裁判所は仮差押えを取り消すのです。
 強制執行をするには必ず、執行官の世話になります。執行官は各地方裁判所に配属され単独で執行事務を行なう公務員です。その執行に関しては、執行裁判所の監督下にあります。
 債権者から執行を委任されて行なう執行が不当であっても、普通は執行官に不法行為による損害賠償の請求はできません。委任された通りにするのが普通だからむしろ債権者に賠償請求すべきです。

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