判決に仮執行の宣言をつけてもらうには

 AさんはBに金一五万円の貸金がありますが、いくら請求してもラチがあかないので訴訟で請求しています。Bの方では、あれこれと理屈をつけていますが、貸借の事実ははっきりしており、勝訴の見込みがあります。よく判決には、仮執行の宣言がつけられている場合と、そうでない場合がありますが、春日さんは、これをつけてもらいたいと思っています。法律上はどうすればよいのでしょうか。

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 民事訴訟法の一九六条には、財産権上の請求に関する判決には、裁判所に、必要と認めたときは申立てにより、または職権によって担保を供しまたは担保なしで仮執行の宣言をすることができると、規定されています。
 金銭的請求とか土地、家屋の明渡し訴訟で、申立てまたは職権で、裁判所は仮執行の宣言をすることができます。
 所有権の移転登記を求める訴えとか、抹消登記を求める訴えには、仮執行の宣言はつけられません。したがって、判決が確定しなければ執行できません。
 裁判上の実務では、金銭的な請求には、仮執行の宣言がつけられることが多い。そうして、無担保で宣言がつけられることが多い。
 仮執行の宣言をつけるかどうかは、全く裁判官の考えによります。したがって、訴状に宣言を求める記載がなくとも職権で宣言することができるのです。
 遂に、仮執行の宣言を免れる方法はないかです。民事訴訟法一九六条三項に「申立てまたは職権をもって担保を供して仮執行を免れることを宣言することができる」と規定されています。事件の内容、諸般の事情を考慮して裁判所が宣言するわけです。
 仮執行の宣言は、判決主文に掲げます。そうして仮執行が許されている場合は、判決の確定前であっても、強制執行ができるのです。
 仮執行の宣言による強制執行の停止は、被告が控訴の手続きをとって執行停止を受けなければなりません。そうしておかないと、判決の確定前であっても執行されてしまいます。
 仮執行の宣言には、無担保宣言と担保付宣言とがあることは先にも触れましたが、担保の額について別段の根拠規定があるわけではありません。裁判所の判断一つに任せられています。したがって、請求金額の大小、事件の内容、原告、被告の事件経過などから得た事情などが判断の資料になるでしょう。
 仮執行の宣言は、支払命令の場合にも付せられたことは別に述べましたが、控訴審における仮執行の宣言が、一審の場合と異なって、不服の申立てができないなど細かい規定がありますが、仮執行の宣言については大略すでに述べた知識で十分でしょう。
 もし予想に反して、本判決が確定することもかく取り消されたときは、仮執行宣言を利用した者は、仮執行によってえた物を返還し、そのうえ同時に損害賠償をしなければならなくなるから慎重さを要します。

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