家庭裁判所では事件をどのような方法で扱うか

 Aさんは、先日父が死んで、遺産分割をした際、放棄をするには家庭裁判所に対して申述しなければならないと聞き、とまどっています。家庭裁判所という言葉は、今や耳新しい言葉ではなくなっていますが、実際に、この裁判所ではどのような種類の事件を、どのような手続きで行なっているのか案外知られていないように思いますが、その内容と機能はどうなっているのでしょうか。

スポンサーリンク

 新憲法が生まれるとともに新しい家族法が生まれ、民法が改正されたことは現在では常識となっています。これに伴い家庭裁判所が生まれ、家事審判法、家事審判規則が制定されている。離婚、養子縁組、親子に関する問題などが家庭裁判所で行なわれる主なものですが、手続的にみると、調停と審判が主な手続きということができるでしょう。
 離婚などで代表される調停手続きが私達には親しみ易い手続きです。申し立ても素人にもできるように簡易化しています。そうして、原則的に本人出頭主義で、代理人による場合は、やむを得ない場合に限っている。家庭裁判所の手続きは、非公開が原則です。事件の性質上、他人に知られたくない秘密にわたることが多いところから、このように配慮しているのです。
 ここで述べておきたいことは、いわゆる調停前置主義ということです。調停は、人事に関する訴訟事件、その他一般に家庭に関する事件について調停を行なうものです。このように、調停を行なうことができる事件については、まず家庭裁判所に調停の申立てをしなければならず、いきなり訴訟を起こすことはできないのです。調停の申立てをせずいきなり訴えを提起しても事件は家庭裁判所に移送されます。
 話合いで解決をというのがわが国の家庭事件の処理方法だということです。
 審判手続きは、原則として家事審判官が行なうのですが、審判事項については、家事審判法九条に詳しく規定しています。事項も甲類と乙類とに定め、甲類に規定されている審判事項については、調停手続きをしない。このなかに入る主なものは、禁治産、準禁治産の宣告、取消しとか、失踪の宣告とか、遺言書の検認、遺言執行者の選任などのように一般に調停に親しまない人事的な手続きです。
 乙類に属するものには夫婦の同居その他夫婦間の協力扶助に関する問題、子の監護者の指定、親権者の指定または変 更、扶養に関する処分などです。
 以上により、家庭裁判所は家庭や親族の人事に関する問題を取り扱うことがわかりますが、人事に関する問題を家庭裁判所だけが扱うとは必ずしもいえません。
 すなわち、人事訴訟手続法というものがあり、婚姻や養子縁組の無効、取消し、離婚、離縁の無効、取消しに関する事件、親子関係の否認、認知に関する事件の訴訟、家裁の調停不成立のとき地方裁判所の管轄で、特別の訴訟の形をとります。親子関係、夫婦関係に関する争いは他人に影響を及ぼすところが大きいからです。

家計と暮らし
民事訴訟とはどういうことか/ 裁判をしたいが費用がないときはどうするか/ 公正証書で強制執行をする手続き/ 自分で訴訟をするときの注意点は/ 債務者の持っている債権を差し押さえるには/ 支払命令を申し立てるにはどうしたらよいか/ 和解や調停の決定に応じる義務があるか/ 調停を申し立てて競売を停止できるか/ 訴状はどこの裁判所に出したらよいか/ 答弁書は必ず提出しなければならないか/ 遠方にいる相手を訴える方法/ 家庭裁判所では事件をどのような方法で扱うか/ 異議申立の提供金を仮差押するには/ 判決に仮執行の宣言をつけてもらうには/ 仮差押えをされたときの対抗法は/ 強制執行の対抗法はどうするか/

        copyrght(c).家計と暮らし.all rights reserved

スポンサーリンク

プライバシーポリシー