訴状はどこの裁判所に出したらよいか

 Aさんは一〇年前から家作の一軒をBさんに貸していましたが、Bさんは家賃の支払いが遅れがちで、この三か月滞納しているので賃料不払いを理由にして契約解除の通知をしました。ところが、Bさんは居座って出ていきそうにもないので、訴訟を起こして明渡しを請求するつもりでいます。訴状もAさん自身で書いて裁判所に手続きしたいと思っています。訴状はどこの裁判所に出したらよいのでしょうか。

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 賃料の不払いがあって、貸主が催告してなお支払いがない場合、契約を解除することができます。契約を解除して明渡しを求めても明渡しをしなければ、訴訟で解決するほかありません。
 わが国の訴訟手続きでは、本人訴訟が認められているから、自分で訴状を作成して裁判所に提出し、訴訟にあたっていいわけである。ところで、どこの裁判所に訴状を提出するかであるが、普通、借主の住所地を管轄する裁判所で、訴訟物の価格が三〇万円までは簡易裁判所で、それを超えれば地方裁判所です。
 訴訟物の価格とは、この場合、明渡しを受けた場合の貸主の受ける価値です。家屋には、固定資産税の評価額があり、賃貸借の解除を原因とする場合は、評価額の半額が訴訟物の価格となります。評価額の証明書を訴状に添付することが必要で、証明書は市町村の固定資産税係で交付を受けます。そして、その価額に応じた印紙を貼付すればよい。
 この家屋の評価額がかりに一五万円とすると、訴訟物の価額は、七万五〇〇〇円となります。したがって借主の住所を管轄する簡易裁判所に訴状を提出します。
 訴状の作成ですが、極めて専門的であって、素人ではむづかしい。ある程度の心得があれば、簡単な訴状ならば作成も困難ではないと思います。この場合には、自分のやろうとしている訴訟の実態と同様のケースを探し出して、その訴状を下書きとして作成することも一方法であろうと思います。証拠は、書面によるもの(契約書、契約解除の意思表示をした内容証明郵便など)、人証(証人、原告、被告の本人尋問など)によるのも自由です。訴状にあらかじめ証拠方法を記載するのが例です。
 訴訟は、何も室屋の明渡しだけではない。さまざまな種類があります。そこで管轄裁判所も違ってくるのです。たとえば、債権者の差押えなどに対し、請求異議訴訟などを起こす場合、専属管轄の定めがあって、他の裁判所で訴訟をやることができません。

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