調停を申し立てて競売を停止できるか

 AさんはB氏からの借金にあたって、自己所有の不動産を抵当として差入れ、抵当権の設定登記をしました。弁済期日に弁済することができなかったため、B氏は裁判所に競売の申立てをしてきて、競売の開始決定がでました。Aさんとしては借りたことは間違いないが、分割して弁済したいと思う。競売手続きをストップさせる方法はないものでしょうか。

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 貸借に根本的な問題はありませんが、支払方法について話合う道はないものでしょうか。この場合、調停の申立てをすることで、これとあわせて、民事調停規則六条にもとづいて、競売手続停止の申立てをするのです。
 すなわち、同規則六条によると、調停事件の系属する裁判所は、紛争の実情により事件を調停によって解決するのが相当である場合、調停の成立を不能またはいちじるしく困難にするおそれがあるときは、申立てによって、担保(保証)を立てさせ、調停が終了するまで調停の目的となった権利に関する民事執行の手続き(強制執行または競売手続き)を停止することを命ずることができます。
 Aさんの場合の手続きは、正にこれによってするとよいわけです。ついでであるから付言すると、和解とか調停の調書または判決による強制執行などのように、裁判所で作成する調書によって権利実行をする場合には、調停規則によるこの停止手続きはできないことになっています。
 だから、この規則によって停止ができる場合とは、公正証書にもとづく強制執行とか、抵当権の実行による競売の場合だということになります。
 ところで、この停止決定は完璧なものかどうかです。競売を申し立てた債権者がこの問題による停止決定に不満な場合、何か対抗手段があるかです。
 同条第二項によると、債権者の申立てによって、さらに必要ありと認めた場合には、担保(保証)を立てさせまたは立てさせないで停止された手続きの続行を命ずることができるとしています。これら停止あるいは続行の申立てには、そ明(証明という程度にいたらないが、これに近い程度の立証)が必要とされています。
 しかし、実際問題として、競売あるいは強制執行の停止決定が出された場合には、債権者が、担保まで立てて(普通担保を立てさせる)さらに続行の申立てをする場合は少ないであろうから、調停の手続きで目的を達成できると思います。
 せり売は青果市場などでよく見かけますが、これは民間のもので、これと異なり、執行裁判所や執行官による公の競売は、民事執行法に定めている強制競売と担保権の実行としての競売、国税徴収法による公売があります。民事執行法の施行で廃止された競売法によるものが、担保権の実行としての競売です。いずれにしても、裁判所掲示板の公示に注意して、堀出物を当てるのも一興です。

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