支払命令を申し立てるにはどうしたらよいか

 Aさんは一〇万円を友人のBさんに貸しましたが、期日に支払ってくれませんでした。その後も何回か催促したがダメでした。そこで、いくら友人であっても訴訟を起こして貸金を回収したいと思っていますが、いきなり訴訟を起こしてよいものでしょうか。
 なにかよい手続きはないでしょうか。一〇万円位の貸金なので、あまり費用はかけたくないと思っています。

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 内容証明郵便で催告するのも一つの方法でしょうが、相手は何回催促しても支払ってくれないのだから、いまさら内容証明郵便を出してみてもダメかも知れません。いきなり訴訟を起こすのも手ですが、費用の面から考えて、支払命令を裁判所に出してもらうのはどうでしょうか。督促手続きとよばれる手続きがこれです。
 債務者の住所を管轄する簡易裁判所に支払命令の申立書を提出すると、裁判所は、債務者に対して支払命令を発します。
 ただこの手続きの欠点は、債務者が異議を申し立てると、当然に訴訟手続きに移行することです。そして、この債務者がする異議申立ては、ただ単に「異議を申し立てる」とするだけで、別段の理由を要しないことから、債務者としては支払命令に対して簡単にストップをかけられるということになります。
 さてこの異議申立てによって、訴訟がはじまったときは、その請求する金額が三〇万円までである場合は、債務者の住所地を管轄する簡易裁判所、それ以上は地方裁判所に係属し、はじめから訴訟を起こした一般の事件と同様に口頭弁論が開かれ、証拠調べが行なわれ、判決という過程を経なければなりません。
 債務者のする異議の申立ては、簡易で、申立書を出せば自動的にこの手続きに移行するのであるから、支払命令の手続きで請求する場合は、相手方から異議が出ることも計算のなかに入れておかなければなりません。
 支払命令に対して異議が出ない場合(支払命令が債務者に送達されてから二週間内に異議の申立てがないとき)には、債権者は「仮執行の宣言」の申立てをして、宣言をつけてもらい、債務者の資産に対し、ただちに強制執行をすることができます。
 ただし、仮執行宣言つきの支払命令の申立てに対しても、二週間以内に異議を述べられますが、強制執行を停止するには執行停止の仮処分を申請しなければなりません。
 このように異議がない場合は、印紙も安いが、異議があって訴訟に移行すると、一般訴訟の場合に貼用する印紙との差額を補充貼用する必要があります。
 支払命令の手続きは、簡単で早いのですが、すでに述べたような欠点もあることを心しておかねばなりません。

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