自分で訴訟をするときの注意点は

 弁護士に頼むと金がかかります。だからといって自分で訴訟をやれるものでしょうか。A君はそう思い、二年ほど前に頼まれて貸した貸金請求の訴訟を起こすことを決意しました。
 A君は、町の本屋で買い求めた、素人向きの訴訟手続案内書を持参して、どうやら訴状を作成して裁判所に提出しました。口頭弁論期日が定められて出頭したA君は、裁判官から訴訟についていろいろ質問をうけましたが、正直にいって、何をたずねられているのかさっぱりわからないありさまで、とどのつまりは、弁護士に頼んではどうかといわれる始末です。その日は何も進まずに終わってしまったのです。
 自分で訴訟をするのは無理でしょうか。もし自分で訴訟をする場合にはどんな点に注意すべきでしょうか。

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 本人訴訟の限界について考えてみましょう。わが国の民事訴訟法は、本人訴訟を認めているから、自分で訴訟することはできます。しかし、訴訟法は専門家でもなかなか困難であるから、本人では十分にこなすというわけにはいかないと考えなければなりません。
 だから、よく法廷で見かけるのですが、裁判官からの質問に答えることができず、時間を無駄にし、他の訴訟関係人に迷惑をかける結果がでてきます。
 これが被告の側に立った場合を考えてみましょう。自分では、原告の主張に大いに文句をいいたいことがあっても、それが法律的にも正しいと思われるようなことであっても、それを法律的に構成して述べることができないために、裁判官の質問に満足に答えられず、原告の主張を認めてしまう、ということさえ起きた例が多々あります。
 したがって理想論からすれば、自分で訴訟をすることは望ましいことではありません。だが、法律で本人訴訟を認めている以上そういってすましていることもできないから、実質面をも考えて、どの辺まで本人訴訟としてやりきれるかと考えると、調停や支払命令の申立て程度に止めておくのが良いと思うのです。いわゆ る訴訟ということになると、本人訴訟は無理でしょう。
 自分で訴訟をする場合の注意すべき点について考えてみましょう。
 本人でやれる裁判手続きの限界について先に述べましたが、しかし、本人訴訟を起こしたり起こされたりすることがあります。
 その場合の注意点をあげると、第一に訴訟の目的を明確につかむことです。金銭貸借による返済請求であれば、元金といつからの利息の返済を要求するのかはっきりさせることです。つぎに債権の発生原因をはっきりさせる。金銭貸借なら、いつ、いくらをどんな約束でいつまでの期限で貸し、それを相手方が受け取ったかどうかをはっきりさせます。第三に証拠になるものを整理して無駄なく準備し、相手方の数に一を加えた枚数を準備し自分の控も取っておくことです。その上で参考書を見て書式にしたがって訴状なり答弁書を作成する。これらには印紙を貼らねばなりませんが、消印はしないことです。

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