公正証書で強制執行をする手続き

 A君はB君の会社に金一〇万円也を貸し付け、公正証書を作っておきました。B君の経営する会社がピンチでいつ倒産するかわからないので、念のため公正証書を作っておいたのです。もちろんB君に個人保証をしてもらっておきまし。それから三か月後に会社は倒産してしまい、B君に一〇万円の返済方を催促したがさっぱりラチがあかない。公正証書があると強制執行ができるようですが、具体的な方法はどうすればよいのでしょうか。

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 契約を公正証書に作成しておくと、どのような効用があるのでしょうか。金銭の貸借のような場合で、支払いをうけることができない場合には、これで相手方の財産を差し押えて強制競売することができます。しかし、室屋の明渡しなどについての約束事、たとえば家屋の貸借契約を公正証書にしておいても、明渡しを強制するわけにはいきません。公正証書で強制できるのは、金銭などの給付を目的とする場合に限られるのです。
 さて、公正証書による強制執行はどのような順序で進むのでしょうか。
 公正証書の正本に執行文の付与を受けなければなりません。正本を公証人役場に持参して執行文の付与を受けます。そして相手方の有休動産を差し押えるのであれば、執行官に執行を委任します。不動産の差押えであれば、不動産所在地の最寄りの地方裁判所に強制競売の申立てをします。
 この場合、相手方に公正証書の謄本が送達されていなければなりません。有体動産の差押えの場合には、執行を行なった際に同時に送達してもよい。送達の執行官に依頼します。
 不動産の強制執行の場合は、あらかじめ公正証書の謄本を相手方に送達して、その旨の証明書をもらっておかなければなりません。申立書に送達証明書を添付しなければならないからです。
 動産の差押えは、執行官の手で行なわれます。できれば立会いをした方がよい。差押えから一週間以上一か月以内に競売期日が指定されます。この段階で債権者である相手方と話しをつけて返済をうけることもあります。というのは、競売されることは相手方にとっても苦痛なので、分割でも支払いをしよう、という申出をしてくることがあるからです。この場合には、競売期日を一時停止してやって分割支払いをうけるのがよいでしょう。
 不動産の場合は、裁判所は、執行官にその不動産の現況や占有関係を調査させ、競売の最低価格を決めて競売期日を定めます。期日までに相手方が債権者と話をつけなければ、競売が実行されます。この場合には最低価格を下回って入札することはできません。競売を避けて相手方と話し合って回収することもあるのは動産の差押えの場合と同様であるが、何度も停止することはできません。二回が限度です。
 動産差押えの場合は、素人であってもなんとかできるてしょうが、不動産の場合には専門家の手を借りるか助言を受けた方がよいでしょう。

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