裁判をしたいが費用がないときはどうするか

 Aさんは、裁判を起こしたいと考えているが、裁判の費用がどうしてもできません。このような場合、裁判費用を立て替えてくれるということを聞きましたが、具体的にはどのようにすればよいのでしょうか。
 裁判を提起する場合、一定額の印紙と送達用の切手を裁判所に納付しなければならず、そのほか、訴訟費用としては、書類作成費用や証人の旅費、日当などがあるし、弁護士に依頼すれば弁護士費用も考慮にいれておかなければなりません。

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 国民は、裁判を受ける権利を憲法上保障されていますが、現実に訴訟費用が用意できなくて裁判をあきらめ、泣き寝入りに終わってしまうこともあるので、訴訟費用がない場合を保護するために二つの方法が認められています。
 第一は、民事訴訟法一一八条以下に規定されている訴訟救助の制度です。訴訟救助の申立ては、申立人が裁判が係属中か係属すべき裁判所に対し事件を特定してなすことになります。
 この場合には、訴訟費用を支払う資力がないことと、その事件が勝訴のがないのではないといった条件があります。
 訴訟費用を支払う資力がないというのが、具体的にどのような状態をさすか明確ではありませんが、一般には、自己および同居の親族の必要な生活費を出さなければならないことがこれにあたるとされており、無資力を証明するためには、民生委員の生活扶助を受けている旨の証明書や、失業保険を受けている証明書が必要です。
 救助の申立てが理由ありと認められれば、裁判所は決定で救助する旨の判断をしますが、この決定があると、訴状、その他の申立てに印紙を貼付する必要がなく、証人の費用などについても、支払いが猶予されます。
 第二は、法律扶助制度ですが、これは裁判費用を立て替えた上、弁護士を選任してくれるものであり、前の訴訟救助制度よりも依頼人の正当な権利を保護し、実質的に裁判を受ける権利を保障するものです。
 法律扶助は財団法人法律扶助協会によって運営されており、裁判費用の立替えを受けようとする者は法律扶助協会に申込みの手続きをするとよい。
 すると、審査委員会が、勝訴の見込み、依頼者の資力、法律扶助の趣旨の三つの観点から費用立替えの諾否を決定します。無資力の基準は、生活保護を受けている者、またはこれに準ずる者となっていますが、なお、法人には法律扶助が適用されません。
 法律扶助が決定されると、立替金の額と弁護士の選任が決まり、裁判がなされていくということになります。

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