労働組合の役員活動をしたら解雇された

 Aさんは、○○機械株式会社に約三年前に入社しました。入社の頃に、この会社には従業員の大部分を組合員とする労働組合ができていましたが、約一年前に推されて、Aさんはその書記長に就任するとともに、いらいその職責上活発に運動してきました。この前の賃上げ交渉の際も団体交渉に絶えず出席したのはもちろん、組合内部の意見取りまとめにも積極的に参画し、団結を示すために、はち巻を使用することを提案実施せしめました。
 ところが、先日突然社長に呼ばれ、何の理由も示されず解雇の申渡しを受けました。察するところ、会社は彼の組合活動を嫌悪して解雇したものと思われます。

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 今更いうまでもなく、労働者はその地位を守るため、憲法二八条によって団結権、団体交渉権、団体行動権を保障されています。すなわち、労働組合を作り、会社と賃上げその他の団体交渉を行ない、場合によってはストライキなどの手段に訴えることもできます。
 これに基づき、労働組合法は「労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出すること、その他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること」等を目的としていろいろの規定を設けています。
 この労働祖合法の七条をみると、このような目的を実現するため、使用者に対し「不当労働行為」として禁止した行為があります。
 使用者が対労働組合、または対労働者との関係でとるべき態度を決定するときには、いつもこの七条所定の不当労働行為になるかどうかを判断する必要があるので「不当労働行為」といわれるものの内容には常に注意を払う必要があります。
 その一号によると「労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとすること若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもってその労働者を解語し、その他これに対して不利益な取扱をすること」は不当労働行為になると明言しています。
 したがって、Aさんの場合には、直ちに所轄の労働委員会に救済の申立てをしあるいは裁判所に申立て、解雇を撤回してもらうことができます。
 ただ、実際問題として解雇の理由が他にあったり、あるいは組合活動とはいっても、団体交渉の際に使用者に対し暴行を加えるなど正当な組合活動の範囲を逸脱しているような場合には、解雇されても不当労働行為にはならないからやむをえないでしょう。
 このほか、Aさんに解雇されてもやむをえないような事由が組合活動とは別に存在する場合は不当労働行為の判定がむずかしくなります。しかし、使用者の本心のなかには、組合を弱体化してやろうという決定的な動機があったということになると、その解雇は、不当労働行為となるでしょう。

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