無断欠勤で解雇されたが

 A君は○○商事に約一年前から勤務していました。この間、急に故郷へ帰る必要があって、会社には無届で八日間欠勤しました。その前にも二週間に一度位の割合で遅刻をしたことがありましたが、故郷から帰って出社したら、専務に呼ばれて、無断欠勤および遅刻頻繁との理由で解雇するといわれました。確かにA君のやり方も悪かったと思いますが、欠勤する者もいるし、遅刻をする者もいるので、これが、解雇理由とされるのに納得がいきませんでした。

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 解雇といっても、通常二種類あります。その一つは、懲戒解雇といわれるもので、早い話が、何か悪いことをしたので首にする場合です。使い込みをして前になるようなのが、これです。他の一つは、通常解雇などと呼ばれているもので、仕事がその者に合わないとか、人員整理などで解雇する場合です。
 多くの会社の就業規則は、この二つを区別して規定されています。A君が、そのいずれによって解雇されたかはわかりませんが、いずれにせよ、解雇ができる場合について、就業規則などに規定されているのが、普通です。だからといって、就業規則に何らかの定めをしておかなければ、解雇できないかというと、必ずしもそうではありません。一般的に、使用者には経営権があり、人事権があります。どのような人間を雇おうと、解雇しようと使用者の勝手だともいえます。
 ただ、解雇についていえば、それが不当労働行為その他法律の禁ずるところに触れるような場合や、解雇権をいたずらに乱用しているとみられるようなときには、その解雇が無効となります。
 多くの会社の例をみると、正当な理由もなく、たびたび遅刻したり、欠勤したりすることは、日頃の勤務成績にも関係するので、直接または間接的に解雇につながっています。また無断欠勤何日以上のものは懲戒解雇ができるように規定しているところもあります。
 労働基準法二〇条によると、解雇には通常三〇日前の予告かまたは三〇日分以上の平均賃金を支払わなければならないことになっていますが、例外として、労働者の責に帰すべき事由があり、それについて所轄労働基準監督署長の認定があれば、予告または手当を支払わずに直ちに解雇することが可能です。
 この認定が受けられる事由の一例として「原則として二週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合」が、労働省の通達によって、示されています。
 しかし、解雇予告の除外認定は、解雇の効力発生の条件ではなく、使用者は、解雇権の乱用にならない限り、自由に解雇できるのであり、認定をうければこの予告手当を支払わずにすむだけです。
 したがって、○○商事の就業規則などの規定の仕方にもよりますが、遅刻や欠勤が頻繁なことを理由に解雇されるのはやむをえません。ただ、A君の場合には、欠勤しあるいは届を出さなかった理由によっては、解雇権の乱用とされることもあるでしょう。

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