パート社員の解雇は自由にできるか

 A子は、結婚後一三年を過ぎ、男女各一名の子供も成長して、いずれも小学校に通い、手がかからなくなってきました。たまたま、団地の迫くの○○電機株式会社の工場からパートタイマーの求人があり、近くの奥様方と働くことになりました。ところが、働きだしてから一〇か月くらいたったある日、突然事務室に呼ばれ、行ってみると、A子だけ解雇だといわれ、予告手当も払ってもらえません。どうすればよいのでしょうか。

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 近年の人手不足は深刻なものになっています。その対策の現われとして、団地の奥様方を狙えとばかりに、バスを仕立てて送り迎えをし、子供の保育施設を作って、何とかパートタイマーとしてでも働いてもらいたいと勧誘して歩いています。
 ところで、パートタイマーであろうと何であろうと、会社や工場等で使用されているものは労働者であって、労働基準法の適用を受けます。より正確にいえば、同居の親族のみを使用する場合や家事使用人を除いて、労働基準法八条の各号に規定されている事業または事務所に使用されているものは、労働者として労働基準法の適用を受けるのです。したがって、A子も労働者として同法の保護のもとにあります。
 労働基準法一九条は一定の場合には使用者が労働者を解雇すをととを制限し、二〇条は、労働者を解雇しようとする場合には、原則として、少なくとも三〇日前にこれを予告するかあるいはごれに代えて予告しない日数相当の平均賃金(これを予告手当と呼んでいる)を支払わなければならないこととしています。
 ただ、この解雇予告は、日雇労働者や臨時の従業員などについては、一部その適用を除外されていますが、それにしても相当期間引き続き雇傭されるようになったときには、このような取扱を受けます。
 A子は○○電機株式会社のパートタイマーになってから二〇か月くらいたっているという。それならば、パートタイマーでも、労働基準法二〇条により、原則として解雇予告なり予告手当の支払いがなされなければならないでしょう。
 もちろん、一口にパートタイマーといっても、その内容はまちまちである。あるいは完全な日雇いで、出動するかしないかも全く自由、出てきて働いたときだけそれ相応の賃金を支払うという形のものもあるだろうし、季節的な忙繁期だけの契約ということもあるでしょう。したがって、その実態に即して、会社における身分関係を定めなければなりません。
 また、一般の雇傭契約と変わりがないとされる以上、パートタイマーであっても、何の理由もなく一方的に解雇されることはありません。通常、会社には就業規則があって、それに解雇の理由となる事項を規定しています。
 そして、みだりに解雇権を発動すると解雇権の乱用とみられ、解雇は無効として扱われます。パートタイマーでもこれと同様ですが、ただ、不況等の理由で人員整理があるときには、一般従業員より先に解雇されてもやむをえないでしょう。

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